ひめくり日記, 展示会の様子

稔さんのマグカップ。

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開催中の【鈴木 稔 展】。
人気のあるもののひとつがマグカップです。
現在こちらの6種類(形が2種類×色が3種類)がございます。
今日はマグカップを例に、「貫入」のことを少し書きたいと思います。

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こちらは実際に使っている稔さんのマグカップの内側。
細かい線が見えると思いますが、これが貫入(かんにゅう)です。
未使用の状態の時には見えにくい、細かいヒビのようなものが陶器には入っていることが多く、使っていくうちにそのヒビのような部分に飲みものや食べものの水分が沁み込んで、写真のような線が見えてきます。
この変化が陶器を使うおもしろみのひとつと考える方もいれば、変化を好まない方もいらっしゃるかもしれません。
磁器の場合は土の違いで貫入はほとんど入らないものも多いのですが、陶器の場合は変化しないということはないと思います。
その変化を最小限にしたい場合は「目止め」をするのがひとつの方法です。
目止めというのは、うつわを初めて使い始める前に米のとぎ汁につけたり煮沸したりすることで、その後水分が沁み込みにくくなると言われています。
が、カビの原因になることもあるという話も聞きます。
うつわを使う前に、その都度、水に浸して水分を沁み込ませた上で使うのも貫入に色が沁み込むのを防ぐ方法のひとつですが、正直面倒くさい…💦
なので、個人的には陶器は変化を楽しむものと思って使うほうが気が楽かなぁと思っています。

電子レンジや食洗器は使っていいかと聞かれることもよくあります。
陶器の場合、小さなダメージを与えることにはなるのでおすすめはしませんが、使ったらすぐにどうにかなるということではないので、あとは自己責任でどうぞとお話ししています。
磁器の場合は陶器とは違う土で作られていて、電子レンジOKのものもたくさんあります。
陶器磁器に関わらず、金彩などの入ったものは電子レンジは✖です。
ついでに書くと、漆器も絶対に✖です(レンジOKと書かれている漆器もあったりしますが、当店で販売している漆器は✖です)。

話は戻りますが、貫入はマグカップに限らず、うつわ全般に入ります。
色のあるうつわは目立ちませんが、白っぽいものは貫入が入って表情に味が出てきます。
その変化をお楽しみいただけたらうれしいなと思います。

 

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テトラ一輪挿し。
なかなか気になる存在です。

 

2019年4月15日 | ひめくり日記, 展示会の様子