ひめくり日記, 木工・漆・竹細工

鈴木健司さんのお箸。

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浄法寺の鈴木健司さんから、欅(けやき)のお箸が届きました。
長さは24cmとやや長め。
この写真では伝わりませんが、とても艶があります。
その理由も含めて、鈴木健司さんの言葉でお箸のご紹介をしたいと思います。

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私は欅が大好きです。

欅は木目がきれいで、漆を塗ると美しいので、長年箸木地として使いたいと思ってきました。しかし、既製品の箸木地には、材質と形が自分好みなものはなく、材料選びから自分で行うことにしました。

欅(赤身)を使用し、九ミリ角材を二、三ヶ月かけて乾燥させた後、カンナで削って箸木地を作っていきます。それができたら、自分で搔き採った浄法寺の漆を塗り重ね、さらに数ヶ月かけて完成させます。

漆塗りについては、いくつもの技法がありますが、私の箸では、「木地呂塗」・「呂色磨き」を施しています。木地呂塗は、木地を砥の粉で目止めして素地を整えた後、透明の漆を何度も重ねていくものです。漆の膜の奥に流れる木目が透けた後、透明の漆を何度も重ねていくものです。漆の膜の奥に流れる木目が透けて見えるため、欅などの美しい木目を持つ素材に適している技法です。呂色磨きは、〝塗立て〟ではなく、塗面を研ぎ磨きあげ、光沢を出す技法です。〝塗立て〟とは違った落ち着いた光沢を発します。

日本人は食事をするとき、必ずお箸を使用いたします。木地作りから塗り仕上げまで、すべて自分で行なっているので多少高価ではありますが、長くご愛用いただけると思います。

私の箸をお気に入りの食器類の仲間に加えていただければ幸いです。

浄法寺の工房にて

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この文章はお箸に添えられている台紙に書かれています。
鈴木さんは、浄法寺で自身で漆を搔き、その漆を使って塗りもされています。
そして今度は、自分でお箸を削るところからこだわって作りました。

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たしかに木目が美しいですね。
そしてこちらの写真なら、光沢が少し伝わるでしょうか。伝わってほしい…

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今週は7/15(水)と7/16(木)が定休日です。
明日から、ちょっとパソコンのメンテナンス&引っ越し作業のため、ブログをお休みします。
定休日明けの7/17(金)、スムーズにいけば戻ってきます。
何も問題が起きないよう、祈っていてください…笑。

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クラフトマンスタジオ冬扇・髙橋昌子さんが、7/17(金)から南昌荘で毎年恒例の展示をされます。
今年は開催されるのかなぁと声を掛けられることが何度かありましたので、楽しみにされていた方はぜひ足を運んでみてください(マスク着用にご協力を!)。

雲の夏休みの宿題
髙橋昌子器展十三年目

7/17(金)~19(日)10:00~17:00 ※最終日は16:00まで
南昌荘(盛岡市清水町13-46)
入園料300円